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▼事業承継税制(減税)
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事業承継税制(非上場株式などに係る相続税・贈与税の納税猶予制度)は、後継者の相続税・贈与税額のうち、議決権株式などの80%にあたる相続税・贈与税の納税が猶予される制度です。
中小企業の相続を円滑にするための制度ですが、その適用要件が厳しく、うまく機能していないのが現状で、平成20年10月から24年9月までの4年間で、認定件数は相続381件、贈与168件にとどまっています。
そこで、平成27年1月以後に相続又は贈与により取得する非上場株式等について、次の改正が行われることになりました。この改正により事業承継税制を適用する会社が急増するものと予想されます。
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@ 後継者の親族承継要件の廃止
(相続税の納税猶予)
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経営承継相続人等の要件のうち、非上場企業を経営していた被相続人の親族であることとする要件が撤廃されます。
現行では先代経営者の親族が代表者を継続しなければ事業承継税制を利用することができませんが、この改正により、だれが代表者となっても利用できるようになります。経営承継相続人等の要件のうち、非上場企業を経営していた被相続人の親族であることとする要件が撤廃されます。
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A 先代経営者の役員退任要件の緩和
(贈与税の納税猶予)
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贈与税の納税猶予における贈与者の要件のうち、贈与時に認定企業の役員でないこととする要件について、贈与時に代表権を有していないことに改められました。これにより先代経営者が役員に留まっていても、贈与認定を受けることができるようになります。
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B 役員給与の打切り要件の緩和
(贈与税の納税猶予)
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役員である贈与者が認定企業からの給与の支給などを受けた場合であっても、贈与税の納税猶予の取消事由に該当しないこととなりました。
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C 雇用確保要件の緩和(共通)
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納税猶予の取消事由に係る雇用確保要件について、経済産業相の認定の有効期間(5年間)における常時使用従業員数の平均が、相続開始時または贈与時における常時使用従業員数の80%を下回ることとなった場合に緩和することになりました。
現行の雇用要件は「毎年8割以上確保」で一時期でも8割を下回ると打切りになりますが、これが「5年平均で8割以上確保」に緩和されます。
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D 事前確認制度の廃止(共通)
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相続又は贈与前の経済産業大臣による事前確認制度が廃止されます。これにより、突然、経営者が亡くなった場合にも事業承継税制の活用が可能になります。
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E 納税猶予税額の再計算特例の創設(共通)
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民事再生計画の認可決定などがあった場合には、その時点の株式の価額に基づき納税猶予税額を再計算し、納税猶予を継続する特例が創設されます。これにより事業の再出発に配慮がなされるようになります。
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F 利子税の負担軽減(相続税の納税猶予)
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経済相の認定の有効期間(5年間)の経過後に納税猶予税額の全部又は一部を納税する場合については利子税を免除することとされました。これにより利子税に対する不安が小さくなります。
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G 納税猶予税額の計算方法の見直し
(相続税の納税猶予)
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納税猶予税額の計算において、被相続人の債務及び葬式費用を相続税の課税価格から控除する場合には、非上場株式等以外の財産の価額から控除することになりました。これにより猶予される税額がより多くなります。
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H 事業承継税制の適用上の制約の解消(共通)
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株券不発行会社にも適用範囲を拡大し、一定の要件を満たす場合には、株券を発行していなくても、納税猶予が認められるようになります。また、株券不発行会社でも担保提供が可能となります。
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▼教育資金の一括贈与に係る
贈与税の非課税措置(減税)
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祖父母が孫などに将来の教育資金(授業料や入学金)をまとめて譲り渡した場合、1人当たり1500万円までなら贈与税がかからないという制度が創設されました。
この制度を利用するための条件は次の通りです。
@受贈者は30歳未満の者であること
A教育に充てるための資金であること
(教育資金とは文部科学大臣が定める(イ)学校等に支払
われる入学金その他の金銭及び(ロ)学校等以外の者に
支払われる金銭のうち一定のものをいいます)
Bその祖父母などが金銭を拠出すること
C金融機関に孫などの名義の口座を開設し信託等をする
こと
D平成25年4月1日から27年12月31日までに拠出すること
E教育資金非課税申告書を金融機関を経由して、受贈者
の納税地の所轄税務署長に提出すること
これにより拠出された金銭等の額のうち受贈者1人につき1500万円(学校以外に支払われる金銭は500万円が限度となります)まで贈与税はかかりません。
受贈者は、払い出した金銭を教育資金の支払いに充当したことを証する書類を金融機関に提出しなければなりません。
なお、受贈者が30歳に達した日に、金融機関に拠出した資金の使い残しがある場合には、贈与税が課税されることになります。
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■ 納税環境整備
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(1) 延滞税等の軽減(減税)
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国税の滞納があった場合に課される延滞税は、低金利の時代に即して、利率(延滞税の割合)が、事業者の負担が軽減されることになりました。また延納をした場合に課される利子税の利率(割合)も図表の通り引き下げられます。平成26年1月1日以後の期間に対応する延滞金、利子税について図表の通り引き下げられます。
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(2) 還付加算金の割合の引き下げ
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国税の還付金に付される還付加算金の割合も同様に引き下げられます。
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(3) 地方税の見直し(減税)
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国税の延滞税等の割合の引き下げに合わせて、地方税の滞納があったときに課される延滞金の割合、地方税の還付金に付される還付加算金の割合も同様に引き下げられます。
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■図表 延滞税、利子税、還付加算金の引き下げ
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特例基準割合
(国内銀行の貸出約定平均金利(新規・短期)の前々年10月〜前年9月における平均に、1%を加算した割合)が7.3%に満たない場合には、延滞税等の割合は以下の通りとなります。 |
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内容 |
本則 |
現行の 特例 (公定 歩合 +4%) |
平成26年1月1日以後の期間に対応する延滞税、利子税等 |
<参考> 貸出約定平均金利の年平均が1%の場合 |
延
滞
税 |
法定納期限 を徒過し履行延滞となった納税者に課される(納期限 後3か月を超える期間分) |
14.6% |
なし |
(特例基準割合) 貸出約定平均金利+1%+ 7.3% |
9.3% |
納期限後2か月以内については、早期納付を促す観点から低い利率 |
7.3% |
4.3% |
(特例基準割合) 貸出約定平均金利+1%+ 1% |
3.0% |
事業廃止等による納税の猶予等の場合には、納税者の納付能力の減退といった状態に配慮し、軽減(災害・病気等の場合には、全額免除) |
2分の1免除 (7.3%) |
4.3% |
(特例基準割合) 貸出約定平均金利+1% |
2.0% |
利
子
税 ・主 な も の |
所得税法・相続税法の規定による延納等、一定の手続をした納税者に課される |
7.3% |
4.3% |
(特例基準割合) 貸出約定平均金利+1% (注)相続税・贈与税の7.3%以外の利子税については、次の計算式で算定
利子税の場合(本則)×特例基準割合/7.3% |
2.0% |
還付加算金 |
国から納税者への還付金等に付される 利息 |
7.3% |
4.3% |
(特例基準割合) 貸出約定平均金利+1% |
2.0% |
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市川市,我孫子市,船橋市,習志野市,千葉市,八千代市,佐倉市,四街道市,成田市,酒々井町,栄町,印旛村,本埜村,印西市,東金市,白井市,
鎌ヶ谷市,柏市,松戸市,浦安市 |
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