|
|
資金繰り改善 |
|
|
|
−はじめに−
いつの時代でも、中小企業の経営者の最大の悩みごとは資金繰りです。
どこの中小企業でも資金が不足していますし、もし、資金繰りに行き詰まれば倒産が待っているからです。
特に現在のように、デフレで売上が伸びない中、金融機関による貸し渋りが続く時代には、資金繰りの悩みがますます大きくなってきています。
|
|
|
|
|
|
また、現代はキャッシュフロー経営が流行になっていることもあり、損益よりも資金の収支に注目が集まる傾向があります。
そのためもあってか、最近では、中小企業の経営者や経理担当者だけでなく、一般のビジネスマンも資金繰りに強い関心を持っているようです。
|
|
|
|
|
|
資金繰りとは、文字通り資金をやりくりして資金がショートしないようにすることですが、それをただ資金繰り表を作って小手先のやりくりをし、資金が足りなければ金融機関から借りてくることと捉えている人が少なくないようです。
|
|
|
|
|
|
もちろん、資金繰り表の作成も、小手先のやりくりも、必要なときに金融機関から借入れすることも大切ですが、資金繰りはもっと経営活動の本質的なものとして捉える必要があります。
会社の目的は利益をだすことと会社を永続させることにありますが、それはまず、会社が倒産しないこと、それから次に、会社が成長することによって達成することができます。
会社が倒産しないことも、会社が成長することも、資金繰りが上手くいっているときにできることなのです。
|
|
|
|
|
|
また、企業経営は資金繰りに始まって資金繰りに終わるともいいます。
資金繰りはそれほど会社の経営にとって本質的な問題なのです。
したがって、資金繰りとか資金繰りの改善は、小手先でできるものではないし、経理だけでできることでもないのです。
|
|
|
|
|
|
まず、経営者がどうすれば資金繰りが改善されるのかを理解し、資金繰りを改善しようという強い意志をもつことが何より大切です。
そして、全社一丸となって資金繰り改善のためのアクションをする必要があります。
ところで資金繰りの改善は、資金繰り表ではなく、貸借対照表から考える必要があります。資金が足りないから借りてくるというのでは、資金繰りはいつになっても根本的に改善されることはありません。
|
|
|
|
|
|
資金は、まず利益(資本の部)からつくらなければなりません。
足りない分はいまある資産から工夫してやりくりをする(資産の部)、あるいは支払い(負債の部)をやりくりして間に合わせる努力が必要です。
|
|
|
|
|
|
借入れは現在の貸借対照表項目でやりくりできないときにすべきものです。
|
|
|
|
|
|
|
少人数私募債の発行
|
|
|
※社債といっても、引受人さえいれば
発行のための条件は容易にクリアできる
|
|
|
|
|
|
|
中小企業向けの縁故私募債
|
|
|
|
|
|
中小企業が簡単に資金調達できる方法として少人数私募債が注目を集めています。
少人数私募債は社債の一種で、担保や保証人がいらない、借入金のように元利金を毎月返済する必要がなく自己資本に近い性格がある、金利を自社で決めることができるなどの特徴を持った資金調達の方法です。
|
|
|
|
|
|
社債というと、中小企業には関係ないとか、手続きが面倒だなどと考えがちですが、この少人数私慕債は中小企業でも簡単に発行することができます。
これは中小企業だからこそ利用すべき社債ということができます。
|
|
|
|
|
|
一般に、社債は企業が発行する債券で、社債を引き受ける人は金利を得ることを目的としてその債券を購入するわけです。
そして社債の償還期限がくれば、元金が発行会社から返還されることになります。
少人数私慕債もこれと基本的に変わりありません。
一般の社債と違うところは、社債を発行する会社とかその社長を信頼している人が購入者になるということです。
|
|
|
|
|
|
したがって、少人数私募債は縁故私募債とも呼ばれています。
少人数私募債は、次の条件を満たしていれば発行することができます。
|
|
|
|
|
|
|
1. |
株式会社であること
社債を発行できるのは株式会社だけです。
したがって、有限会社がどうしても少人数私募債を発行したいときは、株式会社に組織変更しなければなりません。 |
|
2. |
社債の購入者が50人未満であること
購入者が50人以上になると一般の社債となってしまい、面倒な手続きが必要ですから注意して下さい。 |
|
3. |
一口の社債額が発行総額の五〇分の一未満であること
これを満たさないと社債の管理を社債管理会社に委託しなければなりません。 |
|
4. |
募集総額が5億円未満であること
これを超えると募集開始の前日までに財務省への届出などの手続きが必要になってきます。 |
|
5. |
縁故関係者に対して直接募集すること
社債の購入者が社長などの一族や友人・知人、取引先、従業員などに限定されていて、不特定多数の人に勧誘するものでないこと、また多数の人に譲渡される恐れが少ないことが必要です。 |
|
6. |
社債の購入者に金融のプロがいないこと
金融のプロとは、銀行、証券会社、投資、顧問業者などの適格機関投資家のことをいいます。 |
|
|
|
|
|
|
|
その他のメニュー
|
|
|
|
パートT.
資産管理からの資金繰り改善策
|
|
|
1.適切な預金残高を把握する
2.売上債権の残高を減らす
3.販売は代金の回収をして完了するものと心得る
4.売掛金を早期に回収する
5.受取手形を減らす
6.高額な手形は分割して受け取る
7.売掛金管理を徹底する
8.滞留債権をなくす
9.得意先の格付けを行なう
10.在庫が減れば資金繰りがラクになることを理解する
11.在庫はムダの塊と心得える
12.過剰在庫・不良在庫の原因をハッキリさせる
13.売上高至上主義から脱却する(在庫削減策@)
14.不用品は処分する(在庫削減策A)
15.実地たな卸と在庫の年齢調べを行なう(在庫削減策B)
16.売れ筋商品と陳列品だけを
持つようにする(在庫削減策C)
17.仮払金、立替金、貸付金をなくす
|
|
|
|
|
|
|
パートU.
支払い管理からの資金繰り改善策
|
|
|
1.回収してから支払う
2.締日が過ぎてから仕入する
3.手形の裏書譲渡で支払う
4.小切手で支払う
5.仕入債務の残高が増えると
資金繰りがラクになることを理解する
6.仕入債務の支払い長期化に努める
7.掛には掛で支払う
8.手形を振り出してはいけない
9.据置払いを利用する
|
|
|
|
|
|
|
パートV.借入金管理からの資金繰り改善策
|
|
|
1.借入先の多様化を図る
2.金融機関を選別する
3.有利な借入れの方法を選択する
4.当座借越を上手に利用する
5.手形割引は計画的に行なう
6.短期借入れから長期借入れに移行する
7.銀行とは上手につきあう
8.会社の決算・財務内容を改善する
9.資金使途と返済計画を明らかにする
10.借入金の口座別返済予定表を作成する
11.貸し渋りの兆候に注意する
12.貸し渋りには粘り強く交渉する
13.信用保証協会を利用する
14.公的融資を活用する
15.公的融資のメリットを活かす
16.常に最新の公的融資に関する情報を収集しておく
17.完璧な融資申請書類を作成せする
18.中堅企業は減資をして公的融資を受ける
19.普通貸付と特別貸付の両方を借りる
20.できるだけ多くの窓口をあたる
|
|
|
|
|
|
|
パートW.
損益取引からの資金繰り改善策
|
|
|
1.まず利益を増やす
2.資金的な裏付けのある利益を増やす
3.コストを削減する
4.アウトソーシングによって固定費を減らす
5.リース取引を利用する
6.掛け捨て保険で備える
7.節税して資金を作る
8.受託販売を利用する
9.原材料の仕入では使用高払いを利用する
10.補助金・助成金を利用する
11.損益分岐点を引き下げる
|
|
|
|
|
|
|
パートX.
設備投資面からの資金繰り改善策
|
|
|
1、遊休資産は処分する
2、不採算部門からは撤退する
3、貸事務所、貸店舗、貸工場を利用する
4、その投資が本当に必要なのかを再考する
5、投資の効率性を判定する
6、設備投資は営業キャッシュフローで賄う
7、借入金を使うのは本業で収益を
獲得できる設備投資だけに限る
8、設備投資に短期借入金を使ってはいけない
|
|
|
|
|
|
|
パートY.
ピンチの資金繰り改善策
|
|
|
1.生命保険を点検する
2.小規模企業共済の貸付制度を利用する
3.倒産防止共済に加入しておく
4.得意先が倒産したときは公的融資を受ける
5.災害による被害を受けたときは公的融資を受ける
6.売掛金を売却する
7.売掛金を担保に融資を受ける
8.リースバック取引を利用する
9.カードローンを利用する
10.手形のジャンプは慎重に行なう
11.不渡りを出しそうになったら依頼返却を頼む
12.積立を止めて預金を全部引き出す
13.借入金の返済を棚上げする
14.融通手形を使ってはいけない
15.マチ金に手を出してはいけない
|
|
|
|
|
|
|
|