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平成23年度税制改正1(6月改正分) |
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1. 耐用年数の短縮特例の改正
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耐用年数の短縮特例について、未経過使用可能期間をもって法定耐用年数とみなして償却限度額を計算する制度とされました。未経過使用可能期間とは、その減価償却資産の使用可能期間のうちいまだ経過していない期間をいいます。
また、耐用年数の短縮特例の承認を受けた場合、その資産の定額法等による償却限度額の計算の基礎となる取得価額には、前事業年度までの各事業年度においてした償却の額の累積額を含まないものとされました
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2. 陳腐化償却制度の廃止
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減価償却資産が著しく陳腐化した場合には、国税局長の承認を受けることにより、その資産の陳腐化に見合う帳簿価額の修正をすることができる陳腐化償却制度は、平成24年4月1日以後開始する事業年度から廃止されました。
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3. 切放し低価法の廃止
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棚卸資産の評価方法が見直され、低価法による評価額をもって翌期以後の評価額計算の基礎とする切放し低価法は、平成24年4月1日以後開始する事業年度から廃止されました。
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4. 100%グループ内の他の内国法人の
株式の評価損の見直し
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完全支配関係がある他の内国法人で次の株式又は出資を有する場合には、その評価損の額を損金の額に算入しないこととされました(平成23年6月30日以後の評価換えから適用)。
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イ.清算中の内国法人
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ロ.解散(合併による解散を除く)
をすることが見込まれる内国法人
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ハ.完全支配関係がある他の内国法人との間で
適格合併を行うことが見込まれるもの
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5.連結納税の開始等に伴う資産の
時価評価の見直し
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連結納税の開始等に伴う資産の時価評価について、完全支配関係がある他の内国法人で次の株式又は出資が有する資産については、その価額がその帳簿価額に満たないものは時価評価の対象外とされました(平成23年6月30日以後の評価換えから適用)。
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イ.清算中の内国法人
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ロ.解散(合併による解散を除く)を
することが見込まれる内国法人
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ハ.完全支配関係がある他の内国法人との間で
適格合併を行うことが見込まれるもの
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6.非適格株式交換等に係る完全子法人
の有する資産の時価評価の見直し
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非適格株式交換又は非適格株式移転に係る次の完全子法人の有する資産については、その価額がその帳簿価額に満たないものは時価評価の対象外とされました(平成23年6月30日以後の評価換えから適用)。連結納税の開始等に伴う資産の時価評価について、完全支配関係がある他の内国法人で次の株式又は出資が有する資産については、その価額がその帳簿価額に満たないものは時価評価の対象外とされました(平成23年6月30日以後の評価換えから適用)。
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イ.清算中の内国法人
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ロ.解散(合併による解散を除く)を
することが見込まれる内国法人
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ハ.完全支配関係がある他の内国法人との間で
適格合併を行うことが見込まれるもの
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7.中小企業特例不適用となる大法人の
100%子法人の範囲の見直し
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グループ法人税制において、100%グループ内の2社以上の大法人に発行済株式総数の全てが保有されている普通法人についても、軽減税率の適用などの中小企業特例措置が適用できなくなりました。
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8.環境関連投資促進税制の創設
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平成23年6月30日から平成26年3月31日までの間に、エネルギー環境負荷低減推進設備等の取得をして、これを1年以内に国内にある事業の用に供した場合は、取得価額の30%の特別償却(中小企業者等については取得価額の7%の税額控除との選択適用)ができる制度が創設されました。
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9.雇用促進税制の創設
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平成23年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する各事業年度において、雇用者が前事業年度末に比して、5人以上(中小企業者等については2人以上) 、かつ、10%以上増加した場合において、その法人が雇用保険法の適用事業を行っているときは、その事業年度の所得に対する法人税額から、20万円にその法人の増加雇用者数を乗じて計算した金額を控除することができる制度が創設されました。
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10.取引先等に対する調査の
対象物件の見直し
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法人税取引先等に対する調査の対象に、「帳簿書類以外の物件」が含まれることが明確化されました。
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11.罰則の見直し
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故意に納税申告書を法定申告期限までに提出しないことにより税を免れた者について、5年以下の懲役若しくは500万円以下(脱税額が500万円を超える場合には、情状により脱税額以下)の罰金に処し、又はこれを併科することとされました。
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平成23年度税制改正2(12月改正分)及び復興増税 |
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1.法人税率の引下げ
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法人税率が30%から25.5%に引き下げられました。また、中小法人に対する法人税率は22%から19%へ、軽減税率は18%から15%へそれぞれ引き下げられました。これらの引下げは平成24年4月1日以後開始する事業年度から適用されます。
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なお、この改正により平成24年4月1日以後に開始する普通法人の国税と地方税を合わせた法定実効税率は40.69%から35.64%となります。
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2.復興特別法人税の創設
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すべての法人に対して、各事業年度の基準法人税額に10%を上乗せして課税する復興特別法人税が平成24年4月1日から平成27年3月31日までに開始する各事業年度に適用されます。
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これにより法人税率は28.05%(=25.5%+25.5%×10%)となります。また国税と地方税を合わせた法定実効税率は38.01%となります。
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3.減価償却制度の見直し
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定率法の償却率が、定額法の償却率の2.5倍とする250%定率法から定額法の2.0倍とする200%定率法になりました。平成24年4月1日以後に取得する減価償却資産から適用されます。
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4.欠損金等の繰越控除限度額の制限
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青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除制度、青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越控除制度、連結欠損金の繰越控除制度における控除限度額にいては、中小法人等を除き、繰越控除をする事業年度の繰越控除前の所得金額の8割とする制限措置が設けられました。平成24年4月1日以後開始する事業年度から適用されます。
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中小法人等(@資本金等の額が1億円以下の法人等、A公益法人等又は協同組合等及びB人格のない社団等)については、従来通り繰越控除前の所得金額の全額を控除することができます。
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5.欠損金等の繰越控除期間の延長
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青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越期間、青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越期間、連結欠損金の繰越期間については、従来の7年から9年に延長されました。平成20年4月1日以後に終了した事業年度で生じた欠損金額について適用されます。
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6.貸倒引当金制度の見直し
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貸倒引当金制度における適用対象の範囲が次の1〜3の法人等に限定されました。
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1.中小法人等
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2.銀行、保険会社その他これらに準ずる法人
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3.売買があったものとされるリース資産の
対価の額に係る金銭債権人を有する法人
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上記1〜3以外の法人については3年の経過期間を経て貸倒引当金制度の適用が廃止されることになりました。
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7.一般の寄附金の損金算入限度額
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一般の寄附金の損金算入限度額は、資本金等の額の0.25%と所得金額の2.5%の合計額に対して、従来までは2分の1を乗じた額としていましたが、4分の1を乗じた額となりました。
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一般の寄附金の損金算入限度額=(資本金等の額×0.25%+所得金額×2.5%)×1/4
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8.エネルギー需給構造改革推進
投資促進税制の廃止
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エネルギー需給構造改革推進投資促進税制はその適用期限である平成24年3月31日をもって廃止されました。
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更生の請求期間の延長
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国税通則法の改正により平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する国税に係る更生の請求期間が1年から5年に延長されました。平成23年12月2日前に法定申告期限が到来している法人税に係る更生の請求の期限は従来どおり1年ですが、「更生の申出書」に必要な事項を記載して更生の申出を行うことにより減額更正処分や法人税額の還付が認められる場合があります。
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